アストミルコープで支援しているホテルや旅館は、全国の観光地や温泉地、リゾート地にあります。いわゆる「地方」「田舎」と言われるところです。
人口がそもそも少なく、人口減少とともに、人材採用が困難になったため、若手人材が採用できないことで、20歳代の親日家の外国人を採用いただいています。
コロナ前ですが、外国人を雇用いただいた後、状況を伺った際に経営者の方から
「お陰様で人手不足も解消できたし、業績も改善したよ」
「職場も活性化し、売上も20%アップしたよ」
というコメントをいただくことがありました。
「人手不足解消」「職場が活性化」は比較的理解しやすいと思いますが、
「業績が改善した」「売上がアップした」ということと、外国人の雇用がどう関係するのか、疑問を感じられた方、鋭いです。
インバウンド需要が拡大する中、このカラクリを知っていると、人手不足解消だけでなく、業績アップにつながるヒントが隠されています。
ここで「なぜ売上が上がるのか?」を解説したいと思います。
1. 外国人の家族・友だちが来日する
若い外国人の社員が入社すると、必ずと言っていいぐらい、親や親戚、兄弟姉妹、友だちが勤務先に遊びにきます。
親からすると、心配で日本に来る場合が多いですが、親戚や友達は、日本のことをよくわからないので、安心して滞在できる場所として、来日します。
外国人社員も久々に母国語でリアルに話ができたり、職場の人たちも、家族や友だちが来ているのなら、と、有給を使って旅行に同行させたりして、日本の旅行がとても良い、有意義だと思ってもらえます。
良いイメージを与えることで、さらにその知人や友達が宿泊するという「連鎖」が起こります。
2. SNSで公開し拡散される
日本に旅行した家族や兄弟姉妹、友達は、必ずと言っていいほど、facebookやInstagramに滞在中の写真を投稿します。
特に女子の場合、日本人の若い人同様に、Instagramで「映え」を演出してくれます。
また「#japan」「#onsen」など、外国人が検索しやすい「#」(ハッシュタグ)を設定してくれたり、1日だけ見ることができる「ストーリー機能」を使って、不特定多数の人にリーチし発見性を高めてくれるので、一気にバズったり、話題になったりします。
そうして、投稿者に直接DM(メッセージ)を送り、「このホテルはどこ?」「このスイーツはどこで食べられるの?」など、質問が飛び交うようになります。
3. 宿泊予約が入る
SNSで拡散されると、日本旅行を計画していたり、日本に行きたいと考えている外国人は、投稿者にメッセージを送り、ホテルに勤務している外国人に、SNSの反響を伝えます。
また問い合わせた外国人からは、直接ホテルに、英語や母国語で問い合わせが入り始めます。
通常予約の管理は日本人が行っているケースが多いと思いますが、中国語やタイ語、インドネシア語などの場合、外国人社員に対応をさせるようにします。
その外国人社員が母国語で返事を送ると、受信者は母国語で返事が来たことで、かなり感動し、完全に心を持っていかれます。
この感動のやりとりを、今後はTwitterやFacebook、LineやWhatsAppなどで友だちにシェアされ、さらに拡散されることになります。
そして、この外国人社員に「ぜひ会いたい」「ぜひホテルに泊まりたい」と、予約が入るようになります。
4. 平日の稼働が上がる
外国人の旅行者の日本での平均滞在日数は、9.1日(訪日外国人消費動向調査/2017年/観光庁)です。
前後は成田や羽田、関西国際空港などの主要な国際空港近辺に滞在するので、その間は観光エリア、リゾートエリアに滞在します。
土日は日本人の予約で埋まっているケースが多いので、平日の予約を選びます。彼ら外国人は旅行期間中は仕事はしないので、平日の予約でも問題ないわけです。
平日の予約が増えると単純に稼働率が上がります。おまけに宿泊エリアで食事をしたり、土産物を買ったり、消費を促進させます。
あるホテルでは、外国人が素泊まりを好むことを知り、夕食は近くの居酒屋を案内し、その居酒屋から送客料をもらうということで、食費の原価をなくし、利益率を上げている経営者もいらっしゃいました。
その近くの居酒屋には、外国人社員も同席して、観光情報や旅行プランの提案はもちろん、その場の写真をInstagramやFacebookに投稿し、更に新たな外国人客の誘導を促進させます。
最後に
このように最初は若手人材の採用が目的で外国人社員を雇用されたのですが、この雇用をしたことで、外国人顧客の誘客に成功し、平日の客室稼働率を上昇させ、顧客の単価アップにつながることを解説いたしました。
アフターコロナの海外旅行先の人気No.1の日本のポテンシャルはこれから益々上昇し続けるように思います。この陽のスパイラル、あなたも体験してみませんか?