弊社には2名のスタッフがいるミャンマー。
2021年2月のクーデターから1年以上が経過ましたが、
ここのところ、大きな動きは見られず、大型ショッピングモールが開業したり、普段の生活も戻りつつあるようです。
その背景には、軍の内部から、統制が取れなくなっていることが、起因しているようです。
権力者が武力で押さえ込もうとしても、民意を無視した行動は、いくら洗脳された軍人であっても、本質がわかってくると、最終的には離脱してしまうのが、世の常ですね。
以下、TBSニュース「JNN」の本文です。
ミャンマーのクーデターから1年以上が経過しましたが今、軍の内部から統制のほころびが出始めています。
軍から脱走した元兵士がJNNの単独インタビューに応じ、
「脱走兵は数千人に上る」と証言しました。
元ミャンマー空軍大尉 ゼー・トゥ・アウン氏
「脱走する前の任務はミャンマー空軍の攻撃ヘリのパイロットでした」
実名でJNNの単独インタビューに応じたのは、元ミャンマー空軍大尉のゼー・トゥ・アウン氏(34)です。
先月、所属する部隊から脱走し、現在はタイとの国境に近い少数民族武装勢力の支配地域に身を寄せています。
クーデターから1年以上が経過したミャンマーでは、現在も市民と連携する少数民族武装勢力と軍との間で激しい戦闘が続いています。地上戦での双方の戦力は拮抗しているとみられ、軍は空爆による攻撃を強化。
無差別にみえる軍の空爆は、どのような命令系統で行われているのか・・・
元ミャンマー空軍大尉 ゼー・トゥ・アウン氏
「地上戦で攻め込まれると、陸軍から攻撃ヘリに応援要請がきます。ヘリは指示されたポイントを空爆するだけです」
クーデター直後は、研修のためしばらく任務から外れていたというアウン氏。パイロットに戻れば、空爆の命令に従わなくてはならず、脱走を決意しました。
元ミャンマー空軍大尉 ゼー・トゥ・アウン氏
「攻撃ヘリに乗って、市民や少数民族を空爆することは絶対にしたくありませんでした」
これは、軍のやり方に反発し、脱走した元兵士が結成した支援団体のフェイスブックです。
団体名は「国民の目標」。
同じように軍からの離脱を希望する兵士に対し、脱走を手引きしたり、脱走後の生活を支援したりしています。
元ミャンマー空軍大尉 ゼー・トゥ・アウン氏
「(Q.これまでに何人が脱走した?)はっきりした数字はわかりませんが、少なくとも数千人にのぼります」
脱走兵が相次ぐ背景には、兵士の苦しい生活実態もあるといいます。
元ミャンマー空軍大尉 ゼー・トゥ・アウン氏
「現場の兵士の月給は20万チャット(約1万3000円)ほどで、強制加入の保険料などを差し引かれるとほとんど手元には残りません」
戦力では圧倒的とみられていたミャンマー軍。
しかしアウン氏はいずれ内部から崩壊し、統制を維持できなくなると考えています。
元ミャンマー空軍大尉 ゼー・トゥ・アウン氏
「最終的に軍が勝利することはあり得ません。少しでも血が流れないために、兵士の脱走を呼びかけています」
そして、全権を掌握する軍トップのミン・アウン・フライン総司令官にこう呼びかけました。
元ミャンマー空軍大尉 ゼー・トゥ・アウン氏
「ほぼすべての国民があなた(総司令官)を嫌悪しています。権力を手放し、国民に返すべきです」