ヘッドハンティング市場が激化で給与バブル

2006年の10月から、ある団体の調査案件でベトナム主要IT企業の経営者にインタビューをして回った。

その際、人材に関する考え方やリクルーティングについてもヒアリングしたが、みんな口をそろえていうことは、「即戦力採用はかなり難しい」「人材不足で困っている」など、人材採用に関する悩みである。

日本でも現在は非常に採用が難しいと、多くのオフショア開発企業から聞いているが、その飛び火がベトナムまで飛んでいるようである。外資導入による外国企業の増加が、拍車をかけているようだ。

Nguoi Lao Dong紙(12/19)によると、 
「人材不足に加え、給与上昇も著しい。米系ヘッドハンティング会社によると、以前に比べ15?20%程度高まっている。2000年前後、募集企業は人事部長職で月給300?500ドルを提示していたが、現在は1,000ドル程度、高い場合は1,500?2,000ドル。」

確かに上がっている。特にホーチミン市ではオフィス賃料も上がっているため、経営者はダブルで痛い。

ちなみに、現地での相場観だが、400人以下の労働者数の企業では、
■人事部長職:400?700USD/月
■マーケティング部長:1,000?1,200USD/月
■建築士:8,000?10,000USD/月
■広告クリエーター:3,000?5,000ドル/月
■外資企業CEO:5,000USD/月、CFOは3,000USD/月。
と、年々上昇傾向。

但し、期待しているパフォーマンスを出せているかは別問題。
給与以上の経営への貢献をしているかどうかは結構疑問である。

「ベトナム人上級職の給与が、実力以上の「バブル」だとの指摘もある。中国、インドネシア、バングラデシュ、フィリピンでの同様のポストと比較し、ベトナム人は高給傾向にあるが、専門性や外国語能力の点では他国に劣る。これも外国人労働者の流入を許す一因になってる。」

とあり、実際ベトナムの企業にフィリピン人技術者が流入しているというケースも出ているようだ。

今後ますます、人材採用は難しい局面になることは間違いないだろうが、給与に見合う貢献をするように努力をしていただきたいものだ。

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