【ニュース】ベトナム、海外での勤務希望者が急減

ここのところ、ベトナムでの海外勤務希望者が激減しておりました。

理由としては、2020年春先、新型コロナウイルス感染症の影響で、帰国できない外国の方々が多く混乱しておりましたが、各国は自国民を帰国させるため、チャーター便を手配し、帰国をさせていました。

しかしベトナム政府は、自国民に対し帰国調整をさせた結果、ベトナムの方々が多数帰国できない事態に陥りました。

コロナ禍になってすでに1年経過していますが、未だに帰国するにはベトナム大使館に登録し、許可が出ないと帰国できません。

日経新聞によると、これらの状況を背景に、海外で勤務を希望する方が激減していると伝えています。

元々ベトナムでは、海外で仕事をし、スキルや知見、もちろん収入を得て、自国に貢献するという教育思想が根強くあるため、海外で仕事をすることを奨励している国で、経済的にも外貨獲得には欠かせないものでした。

日本でいう厚生労働省である労働・傷病軍人・社会事業省には、以前「労働輸出局」という名の部署があるぐらいでした。

今後、ベトナムからの勤務希望者が減少することは、日本経済にとってもかなり厳しい状況になるのではないかと危惧します。

以下、日経新聞の本文です。

新型コロナウイルスの感染拡大で、ベトナムから海外への人材派遣が大幅に減少している。派遣人数の過半を占める日本のほか、19日から台湾も外国人の新規受け入れを停止した。ベトナム政府は2025年までの5年間で50万人を派遣する方針だが、実現を危ぶむ声が強まっている。

新しい在留資格「特定技能」のベトナムでの初の試験もコロナの影響で大幅に遅れた(3月、ハノイ市)

ベトナム労働・傷病軍人・社会事業省によると21年は20年比で1万人強多い9万人の人材を海外に派遣する計画だ。しかし、3年連続で派遣先のトップだった日本に加え、感染者が急拡大した台湾も19日から在留資格がない外国人の入境を原則的に禁止した。21年1~3月の派遣先は日本が約1万8000人で、台湾は約1万人。それ以外の国でも往来制限が続く。

ベトナムは21~25年の5年間に50万人を海外に派遣する方針を打ち出している。世界銀行によると、ベトナムの海外出稼ぎ労働者らが20年に自国に送金した金額は約170億ドル(約1兆9千億円)。送金額が国内総生産(GDP)に占める割合は5%だった。ベトナム労働・傷病軍人・社会事業省のリエム副局長は「海外で働く人材の数は減少しており、自国への送金に影響を与える可能性がある」としている。

日本の技能実習制度は単純労働に従事する外国人の受け入れを原則、認めていない。途上国などへの技術移転という国際貢献が建前だが、日本企業側が安価な労働力の供給源として依存しているとされる。ベトナムは日本の技能実習生の最大供給国で、現在約20万人が日本に居住している。

ベトナム政府は賃金の高い日本への派遣を重視している。海外で働くベトナム人の平均月収は日本が1200~1400ドルに対し、台湾は700~800ドルにとどまる。しかし日本の入国停止措置に伴い、ベトナムから日本に渡航できない技能実習生は数万人規模に達している。日本への渡航を断念し自国での就労を決めたり、渡航希望地を変更したりするケースが出ているという。

ベトナム人実習生の送り出し機関の経営も直撃しており、日本行きの新規募集を一時的に停止するところも増えてきた。送り出し機関のハノイリンクサービス(ハノイ市)のトー・ティエン・ニアー社長は「これまでは日本への派遣が中心だったが、見通しが立たない。ほかの地域へのシフトも検討している」と話す。

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