2026.04.17
近所のコンビニ、工事現場、ホテルのフロント……。日常のあらゆる場所で外国人を見かける機会が増えています。
「外国人が増えたな」と感じても、彼らがどんな目的・資格で日本にいるのかを正確に把握している方は意外と少ないのではないでしょうか。
本記事では、特定技能外国人の採用支援に20年以上携わる弊社代表・武田が、「在留資格の基礎」をわかりやすく解説します。採用の現場でよく見聞きするリアルなエピソードとともに、事業者として知っておくべきポイントをお伝えします。
1. 日本に滞在する外国人は今や400万人超
現在、日本に滞在する外国人の数は400万人を超えています。観光客だけでなく、働くために、学ぶために、生活の拠点として日本を選ぶ外国人が着実に増えています。
重要なのは、一口に「外国人」といっても、それぞれが異なる目的で来日しており、「在留資格(ビザ)」の種類によって、できる活動・就労の範囲が明確に決まっているという点です。
在留資格は現在29種類あります。どの資格で日本にいるかによって、担当できる仕事も、働ける時間も、まったく異なります。
採用担当者が最初に知っておくべきこと
- 在留資格の種類によって、できる業務は法律で厳密に定められている
- 在留資格の範囲を超えた業務をさせると、雇用主も「不法就労助長罪」に問われるリスクがある
- 採用時には、必ず在留カードを確認し、その資格で自社の業務が可能かをチェックすることが必須
2. 場所別に見る「在留資格」の違い
コンビニスタッフ = 留学生(資格外活動)
都市部だけでなく地方のコンビニでも、外国人スタッフを見かける機会が増えています。その大半は、日本語学校などに通う「留学生」です。
留学ビザは本来、就労を目的としたものではありません。ただし「資格外活動許可」を取得することで、週28時間以内のアルバイトが可能になります。
「コンビニはPOSシステムや自動決済など、日本語能力に依存しにくい作業も多い。深夜割増賃金もあるため、留学生にとって働きやすい職場になっています。母国では仕事がなかなか見つからず、日本で学びながら稼ぎたいという若者が多いのが実態です」(弊社代表・武田)
また、外国人が日本を選ぶ理由として「必ず給料が払われる」「治安が良い」という安心感が大きいと言います。日本人には当たり前のことが、海外では当たり前ではないケースも多いのです。
注意:留学生(資格外活動)は週28時間を超えて働かせることはできません。採用時には在留カードと資格外活動許可証を必ず確認しましょう。超過勤務は雇用主側のリスクにもなります。
工事現場 = 技能実習・特定技能
建設現場で働く外国人の多くは、「技能実習」または「特定技能」の在留資格を持っています。
技能実習は約30年前から存在する制度で、「母国では得られない技術を日本で習得し、帰国後に活かす」という研修の位置づけで運用されてきました。一方、2019年に新設された「特定技能」は、人手不足が深刻な分野において、外国人を正式な「労働者」として受け入れる制度です。
「特定技能の方は、日本人スタッフと同等の待遇が法律で保障されています。労働基準法の適用も受けますし、特定技能2号の試験に合格すれば、更新を続ける限り長期就労が可能になり、家族帯同も認められます」(弊社代表・武田)
建設業は全世界的に若者に敬遠されがちな職種です。しかしその分、「給与水準が高い」「手に職がつく」という点で外国人材から注目されており、30代〜40代の方が子どもの学費のために再来日するケースも増えています。
ホテル = 複数の在留資格が同じ職場に混在
ホテルは、同じ職場でも業務の内容によって在留資格が異なるという、特に複雑なケースです。
「フロントスタッフは『技術・人文知識・国際業務』という在留資格が多く、大学卒業相当の学歴と日本語能力試験N2レベル以上が必要です。一方、客室清掃は『特定技能(宿泊)』の方が担当できます。同じホテルの中でも、ビザの種類が違うというケースはよくあります」(弊社代表・武田)
昨年の訪日外国人数は4,000万人を超え、インバウンド対応の観点から多言語対応スタッフの需要は急増しています。ドイツ語・フランス語・イタリア語など複数言語を話せる外国人材は「高度人材」として特に重宝されています。
ホテル業界の在留資格まとめ
- フロント・通訳業務 → 技術・人文知識・国際業務(N2以上・大卒相当)
- 客室清掃などの現場作業 → 特定技能(宿泊)(日常会話レベルN4程度)
- 同じ職場でも業務内容によって必要な資格が異なるため、採用前の確認が必須
3. そのほかの在留資格——飲食店・スポーツ選手など
インド料理店などでよく見かけるスタッフの多くは、実はネパール人であるケースが多いとされています。店舗オーナーは「経営管理ビザ」、調理スタッフは「特定技能(外食)」や「技能実習」などで働いており、一つの店舗の中にも複数の在留資格が混在することがあります。
プロスポーツ選手や外国人アーティストは「興行ビザ」で活動しており、コンサートに帯同するスタッフや音響エンジニアも同様の資格が必要です。ビザ取得に時間とコストがかかるため、来日準備は数ヶ月前から始まるのが一般的です。
4. 「外国人は誰でも雇える」は危険な誤解
外国人雇用で最も注意が必要なのは、「在留資格さえあれば、どんな仕事でもさせていい」という思い込みです。資格の種類によって、できる業務は法律で厳密に決まっています。
「虚偽申告が発覚した場合、その方は永続的に日本への入国が禁止されることもあります。雇用する側も、不法就労を助長したとして処罰の対象になります。最初の確認をしっかり行うことが、採用後のトラブルを防ぐ最大の対策です」(弊社代表・武田)
確認必須:外国人を雇用する際は、在留カードで「在留資格の種類」と「就労制限の有無」を必ず確認してください。確認義務を怠ると、雇用主も法的責任を問われます。
5. 外国人採用を検討する事業者へのアドバイス
外国人が日本を選ぶ理由は、「安全」「必ず給与が支払われる」「法律が守られる」という日本への信頼感です。これは日本人が当たり前と思っていることが、世界標準では決してそうではないことを示しています。
その期待に応えられる職場環境を整えることが、外国人材の定着率を高め、長期的な戦力として活躍してもらうための基本です。
採用前に確認しておきたいポイント
- 採用したい業務に対応できる在留資格を持つ人材かどうかを確認する
- 労働条件・待遇が日本人と同等以上になっているか確認する
- 社会保険・労働基準法・入管法などの法令遵守が徹底されているか確認する
- 現場スタッフへの情報共有と、相談窓口となる担当者を明確にしておく
在留資格の仕組みは複雑に見えますが、正しく理解した上で採用を進めれば、地方・中小企業でも即戦力となる外国人材と出会えるチャンスは十分にあります。弊社では採用から定着支援まで、一貫してサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。
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