さすがに師走である。
仕事も立て込み、また宴席、出張の嵐で、仕事量と比例してメタボリック症候群も身近な存在となりつつある。
それはさておき、ベトナムのIT産業は日本よりも、欧米に非常に注目されているようである。
特に最近はファンドの動きもめまぐるしい。
Thoi Bao Kinh Te Viet Nam(11/7付)によると、
「8%超という東南アジア最高の経済成長率に加え、投資効果の高い証券市場を擁するベトナムは、世界的に注目を集めている。ベトナムで進むICT(情報通信技術)関連プロジェクトはいずれも大規模で、今年初めにはIntelのホーチミン市進出が決定、10月にはIntel系投資会社がTexas Pacific Groupと協力し、FPT社株を取得した。」
確かに最近はこのような記事をよく見かける。
日本の話といえば、ODAなどの政府関係の話、もしくはメーカーを中心とした現地進出の話で、投資の話はあまり聞かない。
ホーチミン市には欧米に渡った越僑が、シリコンバレー等で富を築き、オフショア開発センターとして設立している企業が確かに多い。
現地のIT企業で50歳代以降の社長の多くが、このような人たちである。
彼らを通じて、欧米企業が触発されてベトナムのITビジネスに興味を持ち始めたのだろう。
先日もアメリカの金融システム会社の社長(アメリカとベトナムのハーフ)とも話をしたが、
「ベトナムのエンジニアは優秀でよく働く。アメリカ人エンジニアはマネジメントをしたがるが、コーディングは絶対やりたがらない」
と嘆いていた。
この点でもベトナム人のエンジニアに対する評価は、確実に欧米の投資家を魅了しつつあるのかもしれない。
さらにThoi Bao Kinh Te Viet Nam(11/7付)には、インテルベトナムの社長のコメントがあった。
「Intel Vietnam社Than Trong Phuc社長はベトナムの成長を次のように述べた。
『世界のIT企業が目指す巨大市場、それがベトナムだ』。」
このコメントは個人的には少々リップサービスが過ぎたように感じる。
しかし、確かに8500万人の人口で、25歳以下が人口の50%を占めるため、言い過ぎかもしれないが、投資家にはいい響きである。
そして、最後に
「GoogleやYahooもベトナムを東南アジアの最優先市場と見ており、VinaCapital社のLouis Nguyen氏は、「ベトナムの“シリコンバレー化”もありうる」とIT・インターネット分野の可能性を高く評価している。」
とある。
とうとうGoogleも注目し始めたのか。
先日、良くしていただいている出版関係の方から「Google Master Plan」のWebを教えていただいた。
http://undergoogle.com/tools/GoogleMasterPlanEN.html
これは、Googleの事業戦略をチャートでブレストしている落書きみたいなものであるが、ここにはマレーシアが投資対象として書かれてあった。
その中には、ベトナムは入っていなかったが、最近は興味を持ち始めたのだろうか。
ちなみに先のベトナムハーフのアメリカ人には、「一番働き者は日本人だ」と伝えておいた。