【ニュース】ミャンマー、2020年初頭に外国人観光客受入を計画?

2021年2月に発生したミャンマー国軍によるクーデターから9ヶ月が経過しました。過激な民主化運動への迫害もありましたが、ここのところ平穏な状況が続き、10月からはパスポートセンターも再開し、海外労働許可証を得るための講習も再開されました。

新型コロナウイルス感染症の新規感染者数も、2021年11月9日時点の7日間平均で、938人と低位で推移しています。

この状況下で、ミャンマー政府は、2022年初頭から海外旅行者の受け入れを再開すると発表されました。

この時期、海外から誰が観光でミャンマーに行くのか、甚だ疑問ですが、隣国中国からの観光客に期待しているのでしょうか。

以下、CNNの報道内容です。

東南アジアで入国制限を緩和する国が相次ぐ中、ミャンマーが2022年初めに外国人観光客の受け入れを再開する意向を表明した。

過去2年の間に国境の封鎖に踏み切った国はほとんどが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のみを理由としていた。しかしミャンマーは今も、軍が実権を握った21年2月のクーデターの影響で政情不安が続く。

過去にも長年にわたり軍事政権下にあったミャンマーへの訪問は、圧政を支持することになるのか、それとも外国からの援助を必要とする国民を助けることになるのかという疑問を観光客に突き付けてきた。

現状では、今も続く新型コロナの問題に加え、軍事政権下で混乱状態にあるミャンマーを実際に訪れる観光客がいるのかどうか、疑問が残る。

当局は観光客の関心の高まりを期待してウェブサイトを開設したが、受け入れ再開は新型コロナの封じ込め対策成功が前提になると強調する。

ミャンマー軍事政権のホテル・観光省広報はCNNの取材に対し、「安全かつ便利な旅行の準備が整えば、ワクチンを接種した観光客の受け入れを再開する」と説明した。

一方で、コロナ不安や政情不安を理由に、ミャンマーへの渡航自粛を呼びかける国もある。

米国務省は現在、ビルマ(ミャンマー)について、新型コロナの症例数の多さと政情不安という2つの理由から、警戒レベルが最も高いレベル4の「渡航禁止」を勧告している。

これとは別に国務省は、「ビルマは強大な軍による残虐な弾圧のため、重大な政治的、経済的、人権的、人道的危機に直面している」と指摘する。

現時点でミャンマーの公式観光サイトには、観光客受け入れ再開の具体的な計画についてはほとんど記載されていない。しかし報道によれば、まず東南アジアからの観光客が対象となる見通しだ。

観光以外にも、外国からの旅行者のミャンマー入国に対する関心は高い。

家族との再会を待ち望むビルマ系の人たちや、ミャンマーの寺院訪問を熱望する仏教徒、出張して工場などのプロジェクトを監修する必要のあるビジネス関係者もいる。

例えば黄金の仏塔で有名なヤンゴンのシュエダゴン・パゴダはミャンマーでも特に重要な仏教聖地で、ブッダの頭髪といわれる毛髪などがあり、世界中の仏教巡礼者の関心は高い。

軍事政権は特に、最も重要な同盟国であり投資国でもある中国からの裕福な観光客を再び呼び込みたい意向だ。

しかし受け入れが再開されたとしても、同国に戻った観光客が目にする光景は、前回の訪問時とは大きく異なる。

現地の関係者によると、インフラは劣化が激しく、経済的圧力がかかったり経営者が国外へ脱出したりしたために閉店した商店も多い。観光業の運営は軍が担っている。

断続的に停電も発生し、インターネットも途切れがちなため、国外と連絡を取ることは難しいという。首都ネピドーにある5つ星の高級ホテル、ケンピンスキーホテルは、公式サイトで10月中旬から「当面の間」営業を休止すると発表した。休業の理由は明らかにしていない。

メコン川観光ツアーを専門とする東南アジアのリバークルージング会社パンダウは、新型コロナやミャンマーの政情不安を理由に会社を閉鎖すると発表した。

クーデター前のヤンゴン中心地のスーレー通り(2019年2月)
新型コロナウイルス感染症 新規感染者数(2021年11月9日時点)

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