ベトナム共産党中央委員会への政策提言(その1)

2011年3月28日にハノイで行われたベトナム中央人民委員会への産業政策ワークショップに参加してきました。

ベトナムの産業においては、昨今の経済成長の背景に、物資等の輸入超過から、貿易収支が国際収支ベースで、約130億ドルの赤字(2010年)を計上しており、ますます増加する傾向です。 
この赤字の大きな要因としては、中国からの輸入金額の増加が大きく寄与しており、昨今の中国の台頭を背景に、ベトナム政府としては、どの産業分野を強化し、国際競争力をつけることができるかが、カギとなっております。

その一環として日本より産業政策の提言を行うワークショップが開催されました。

当ワークショップの主催者である党中央委員会の副会長であるDinh Van An氏の挨拶とともに、日本から参加した政策提言メンバー8名がそれぞれの産業分野における産業政策を提案し、私はIT分野を担当させていただきました。
当日は参加者が党および政府関係者約100人と政府内でも関心度の高いことが理解できました。

6つの産業分野における日本側からの政策提言は、調査情報に基づいた非常に具体的でかつ即実行できるものもあり、参加者からの質問や意見交換がなされました。

私が担当したIT分野では、外貨稼ぎの事業分野としてソフトウエア開発アウトソーシング、いわゆるオフショア開発に関する現時点での状況報告と提言を行いました。

中国、インドなどのアジアを取り巻く環境、アジア市場におけるベトナムのオフショア開発の現状と位置づけ、ベトナムにおける課題、それに対する提言を約10分程度で説明しました。

説明後に、情報通信省の担当官より説明に対するコメントをいただき、今後具体的な政策につなげられるよう協議を進めていくということになりました。

私の提言の一つとして、日本企業をはじめとする外国企業のベトナムでの活動の自由度を上げること、またベトナム企業での外国人雇用に関する政府支援を行うことなど、現時点で実際に困っていることを中央委員会に直接直訴したような形としました。

2015年のASEAN統合前にベトナムの戦略的な政策活動に期待したいところです。

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